toimichi’s diary

思考の整理、のち、趣味

爪切りが欲しい

村上春樹世界の終りとハードボイルド・ワンダーランドの後半に、主人公がディナーの際に女の子にさらっとプレゼントを渡すシーンがある。

そのプレゼントが爪切りなのである。確か二千八百円だか何だかする一生ものの爪切りである。

ディナーの前に時間があったのでふらっと入った金物屋で買ったものである。

 

ふらっと入った金物屋でたまたま見つけた、一見爪切りに見えないような代物であるらしい。

 

ネットで探すとそれらしいものが出てきた。想像とは違ったが、確かにこれは一見爪切りには見えない代物だ。そしてスタイリッシュで美しい。

 

 

f:id:toimichi:20210729194648j:plain

爪切り

https://www.amazon.co.jp/-/en/42409-000/dp/B0000TCI56/ref=cm_cr_srp_d_product_top?ie=UTF8

 

このようなものをディナーで、ふと思い出したようにプレゼントされ、使い方を教えられる。そんな1シーンがとても暖かくて切ないのである。その後主人公と彼女がもう二度とディナーをしないのではないか、と半ばわかっている読者にとっては切ないのである。

 

物語にとって考察が必要な重大なワンシーンではないかもしれないが、なぜかこのシーンがとても印象的である。

 

また、このような素敵な何気ないプレゼントを受け取るようなことがあれば、

嬉しいなと、女心に思うのである。