toimichi’s diary

思考の整理、のち、趣味

悪童日記

アゴタ・クリストフ悪童日記を読んだ。

内容が衝撃的であること、一方極めて読みやすい文体であることからして2日で読んでしまった。

 

全編がかなり短編で構成されており、5ページくらいで一種のテーマが提示された物語となっている。

題名にある通り悪童(双子の少年)が書いた日記風として本が構成されている。

それぞれ戦時中の悲惨な様子や、その時当たり前だった悲惨な風潮が描かれている。悲惨であるがただ虎視眈々とその事実が描かれる。少年目線での描写であるのにも関わらず、感情描写は一切含まれないため、感情移入によるダメージは少ない。

ただ、日本はまだ恵まれていたんだな、と思わざるを得ない状況が繰り広げられていく。

昔のヨーロッパ文学を読むとわかるのだが、昔のヨーロッパでは女性や子供に対する扱いはかなり不当だ。戦時中であるからしてそれはもっと不当なものとなる。そう言った事実がありありと物語として描かれているのだが、

この物語の中では登場人物の名前も、土地も、どの戦争かも明確に記されていない。

 

解説にそれぞれどれが想定されるから記載があるため、気になった人は読んでみてほしい。

 

とにかく、内容としても興味深く面白い本であった。

 

また、本の構成として、(一貫して同じ話ではあるのだが、)

全編が短編であり寸劇調になっている構成が面白い。ストーリーを追うのは難しくないし、章の名前とそれぞれの起承転結が繰り返されるだけだ。こういう文学的手法は面白いと思う。

苦役列車

西村賢太苦役列車という本をよんだ。

 

苦役列車」、「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」の2編が収録されていたのだが、私小説で主人公が同じ名前だったからか、続きの物語だと思って立て続けに読んでしまった。

最も、私小説の主人公が10代だった頃から40代の頃の話へ移り変わっただなのである意味続きと言っても過言ではない。人生は一つなぎである。

 

苦役列車、題名から連想されるように楽しい話ではない。読んでいて気分が良かなるようなものではなかった。だけども、主人公が悲劇のヒロイン気取りではないからだろうか、何か面白く共感できるとこが多々あり、あっという間に読めてしまった。

この章は、父親が性犯罪者になったことにより小学生の頃から人生を狂わされた可哀想な青年の話。かもしれない。

小学生のような自力では生きていけない小さい存在では家族が与える影響は大きい。その子の環境や性格に大きく影響を与えてしまったと思うが、成人近い彼の怠惰な生活態度は見ていて苦しく感じる人もいるかもしれない。

 

出だしから、自分が経験したことのないような生活が描かれるので興味が惹きつけられた。怖いもの見たさのような、こういう世界が本当にあるんだ、というような知的好奇心もくすぐられる。狭いアパート暮らし、日雇いバイトで日々の生活費を捻出する様を見ると、自室のワンルームが狭い、お風呂が狭くてリラックス出来ないなどと文句を言っていた自分が恥ずかしくもなる。

一方、せっかく汗水垂らして稼いだお金を居酒屋での食事に費やしたり、風俗に使ったり、と余計な娯楽に使い、結局家賃を踏み倒す様は見ていて心地よいものではない。

よく捉えれば、せっかくの人生、刹那的にその日その瞬間自分が楽しいと思えるように過ごしている様はかっこいい生き様かもしれない。日雇いバイトで体を酷使し、家賃や老後の心配のための貯金に回していたのでは、結局誰のための何の人生だ、となることもあるかもしれない。

 

私小説とはどこまで本当のことを書いているのかわからないけれど、苦役列車の主人公の少年がこの頃西村賢太のような著者になり、このような文書を書いたと思うとその文才には嫉妬する。

西村賢太さんを調べたところ、36才くらいでデビュー、書き始められたようだ。

ある程度苦役列車の内容が本当だとして、デビューに至るまでの人生も覗かせてほしい。私小説になっているのだろうか。

 

あまりにも長くつらつらと書いてしまったのでこの辺にて。

 

 

喪失の儀礼

松本清張の本「喪失の儀礼」を読んだ。

面白くて夜だけしか読む暇がなかったものの、3日で読み終えた。

 

小説というのは最初の数十ページはその世界に興味を持つための

グッと堪えなければいけない段階がある気がする。そういう本も多いなと感じる。

ところがこの本は、10ページも読み終わらないうちに私の心をひきこんだ。

最初の章が"青白き死"であるからして、早々に被害者の話が展開される。

説明の文章が上手いからか違和感なく情報が入ってくる。

 

それからはメインで活動する警察官の推理視点とともに次々と事件を追いかけていくのである。詳しい書き込み操作や、ひょんなことから様々な情報が得られる。その度に推理が走り、また調査へ向かう。

 

真相に近づくようで近づけないもどかしさもありつつ、少しずつベールが剥がれていくのが何ともたまらなく面白い。

一体物語をどうやって考えていて、どの順で読者に明かそうと思っていたのか、

松本清張の脳味噌を覗き見たいと思ったほどである。

 

また、今回の事件に関わった者は医者や製薬会社関連であり、その二者の利己的関わり(当然製薬会社は薬をどんどん置いてもらおうと医者に忖度する)がまた興味深く面白い。

小説といえども全くの嘘を書くわけでもないだろうからこう言ったことはある程度取材されているのだろと思う。が、一体どの筋からこういった情報を得ているのか、気になるところである。

 

この本の中で、被害者が俳句好きであったことから、関係者が作成した俳句についても取り上げられるている。

そのなんともダイナミックで力強く、畏怖を感じるような俳句が好きだ。好きというよりなんとも惹かれるのである。小説の中で使用する俳句まで作ってしまうなんて、流石だ。

 

俳句関連で、『松尾芭蕉のホモ説に興味を持った老婆』的表現をしている文章があって、そちらはこの本の中で唯一ぷぷと少し笑ってしまった部分である。老婆と表現されるお婆さんが松尾芭蕉がホモであったかもしれないという色恋に興味を持った姿は想像するとなんだか面白い。

 

 

 

翻訳アプリ

Handed Translate というロシア製?の翻訳アプリがある。

 

性能がかなりいい。

もちろん知らない言語の人とやりとりにも確実に使えそうだし、自分の発音が聞き取れる程度のものか確かめるのにもかなり使える。

 

このアプリで英語を認識されなければ発音レベルが少し足りていないかもしれない。

と判断できる。

 

逆に日本語から英語の翻訳でもかなり使える。

日本語で、関西弁でつらつらと長い文章を話してみたが、正確に書き取られていたし、

英語への翻訳も完璧だった。

 

正直コミュニケーション取るためにこのアプリさえ入れていればどこの国の人ともやりとりできると思われる。

本当に感激したのでここでピックアップ。

チャーガ飲んでみた

チャーガ(カバノアマタケというきのこ)が体にいいと聞き、試しに購入してみた。

 

抗酸化作用が高く、体にいいそうで。

今また健康ブームというか免疫強化に対して敏感になっている時期なので、それに乗じただけの商品なのかなと割と半信半疑。興味単位での購入。

 

粉末を水に溶かして飲んでみると、何ともまずい、茶色い粉末だしこれ、土なんじゃない?と思ったほどだ。

 

仕方がないのでコーヒー牛乳に溶かして摂取していた。摂取して3日ほど特に良くも悪くもなくなんとなく飲んでいた。

が、ここ最近明らかに抗酸化作用を感じることがあった。

二日酔いにならないのだ。

二日酔い状態では、体の酸塩基平衡(酸性/アルカリ性バランス)が酸性に傾き、この程度が二日酔いの重症度と関係があるらしい。

(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-005.html

より)

 

抗酸化作用により、酸性に傾かなくてしんどくないのかな、、?

 

最近ほとんどお酒を飲んでいなかったところにこの金土は終電までガッツリ飲む、ということをしていたのだが、全く次の日に引きずらない。

むしろいつも通りの時間に起きたりと不思議なくらい元気なのだ。

 

気持ちの問題かなとも思ったが、今回は割と懐疑的に飲んでいたので思い込み効果は低そう。

 

本当に抗酸化作用があるならアンチエイジングにも一目置ける。

人と本心を共有できること

久しぶりに本心ベースで思っていることを他人と議論、共有することができた。

 

最近はリモートワークが多く、同僚と雑談する機会もなかったため、仕事における意見の言い合いはできるが、仕事以外に関する話をすることはなかった。

 

また、体調を壊していた期間もあり、なかなか友人と出かけることがなく、会話という会話をしていなかった。

 

そんな中で久しぶりに多くの人と話すことができて、自分の意見を言えること、共感してもらえること、他者の意見を取り入れること、

など会話における基本的なことができ、

それだけで心がスッと晴れやかになった。

 

あまりにもリモート環境に慣れていたが、やはり人と交流を持つことは心身の健康に大切だと改めて感じた。

ありがたい機会だった。

知らない人からの荷物

Amazonから荷物が届いた。

ずしりと重い。2キロはあるだろうか。

 

ここ最近Amazonで買い物をした覚えもないし、Amazon経由で住所に直接プレゼントを送ってくるような知り合いはいない。

一体何が送られてきたのだろうか。

箱を開封しようとして、ふと送り状に目をやるとお届け先の氏名が私ではないことに気がついた。よく見ると送り主の名前も記載されていた。

 

何か届け物があると真っ先に封を開けようとするのは悪い癖だ。危うく知らない人のお届け物を開けてしまうところだった。

 

届け主は個人事業主、ネットで検索してみると歯医者だということがわかった。50歳くらいの歳をとっているが威厳はある、そう言った見た目の男の人のプロフィール写真が出てきた。

 

とにかく、手元に置いておくわけにもいかないのでAmazonに連絡した。すると、1000円のクーポンを渡すから破棄しておいてほしいとのことだった。

 

破棄していいのか、と思ったがとりあえず破棄するためにも封を開けなければならない。

 

箱を開けるとそこに入っていたのは図鑑だった。

植物図鑑。歯医者さんがなぜ植物図鑑をプレゼント、、なんだよミステリー小説の始まりみたいだ。